御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
翌朝のスポーツ新聞には『総理の純愛』『夫人の献身』といった文字が躍っていて、会見場で抱き合うふたりの写真が一面を飾っていた。

スキャンダルのマイナス要素は完全に払しょくされた。それ以上に、愛する妻のために激高する鷹凪と、愛を叫びながら泣き崩れる奏の姿が好感とともに報じられた。

「朝から会見の話題ばかりだった」

珍しくちゃんとした時間に帰宅した鷹凪が、リビングのソファでのんびりと食後のコーヒーをすすっていた。

スーツのネクタイとジャケットを脱ぎ、シャツをラフに気崩してリラックスする姿は、どこにでもいるサラリーマンかと錯覚する。
……それにしては、少々格好よすぎる気はするけれど。

「会う人会う人にからかわれて、本当に参ったよ」

吐露した愚痴はなんとも微笑ましい内容だった。

「私も、泣いている姿がニュースで報じられる度に、恥ずかしくて恥ずかしくて」

「だから表舞台に立たない方がいいって言っただろ」

「ちょっと後悔しています」

「安心しろ、泣いてる姿もかわいいと、周囲からは好評だった」

正面のソファに腰掛けて頬を赤らめうつむく奏を、鷹凪は満足そうに眺める。
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