御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
それから一年――

「奏。お前は俺が間違っていると思うか?」

総理就任直後の鷹凪フィーバーが落ち着いて、国民が冷静に政治に目を向けるようになってきたころ。

相変わらず鷹凪の支持率は高いままだったが、どんな政策を謳っても手放しで拍手をしていたあの頃とはわけが違う。

政策に批判を唱える者も確かにいて――

「今回の政策は、確かに少し過激だった。だが、次世代に希望を繋げるために必要なこと、誰になんと言われようと、譲るつもりはないんだ」

夜遅く家に辿り着いた鷹凪は、ソファにもたれながらネクタイを緩め、キッチンの奏に話しかけた。

夕食を済ませてきたという鷹凪に、奏はコーヒーを入れながらくすくすと笑う。

「珍しくちょっと弱気なんですね、鷹凪さん。譲るつもりはないなんて言って、本当はすごく気にしている」

「……どうしてバレた?」

「鷹凪さんのことは、なんでもわかるようになってしまったんです」

口下手で感情表現が苦手なくせにやたらと察しのいい奏が、ブラックのコーヒーを運んでくる。
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