御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「自分の決断が間違ってるだなんて思ったことはない。だが、正しいことと喜ばれることは別だ。賛同を得られなくても推し進めなきゃならないときがある」

「……そんな不安な顔、しないでください」

コーヒーをローテーブルに置いた奏は、ソファのうしろから鷹凪をぎゅっと抱きしめた。
不安な顔などした覚えはないのに、奏はまるで傷ついた子どもを慰めるみたいに優しく包み込む。

「全国民の顔色をうかがう必要なんてないんですからね。ちゃんと鷹凪さんを信じているひとがいますから。だから、自分の思うがまま、正しいと思ったことをやってください」

首に回った腕に温もりを感じながら、やはり彼女を選んだのは正解だったと瞳を閉じる。

彼女は政治のことなどなにもしらない。鷹凪に対等なアドバイスなどできない。

けれど、それでいいのだ。鷹凪がほしかったのは、政治の知識でも気の利いたアドバイスでもない。

「こっちへこい」

鷹凪が彼女の腕を手繰り寄せ、隣に座らせる。
不意に額に口づけし――

「お前さえ、信じてくれていればそれでいい」

そう告げると、奏の顔色はみるみる真っ赤に染まっていった。
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