恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「一応幼稚園に連絡をしてみたら、翔はもう幼稚園を“やめた”ことになっていたが。なんでも先方は“引っ越しをする”とか言ってたな。おい、冗談の小細工もほどほどにしろよ。あまり他人を巻きこむんじゃない。翔だって幼稚園に通いづらくなるじゃないか」

壮介さんの言葉の一句一句が、私の耳を、頭上をすり抜けていく。
この人に何を言っても無駄なの?
説得できないの・・・?

体中の力が抜けそうになった。気力も失いそうだ。
だけどここでくじけちゃダメよ、私!
ここであきらめてしまったら・・また同じ絶望の繰り返し。それだけはもう、嫌だ!
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