恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「・・・ねえ壮介さん。どうして私と結婚したの」
「んん?おまえと結婚した理由か?今頃聞いてどうするんだ・・まあいい。せっかくの機会だ、答えてやるよ。おまえと結婚したのは、そうだな・・丁度良かったから、かな」
「・・・・・・は?」
「いや違うな。おまえと会ったとき、おとなしくて控えめな印象を受けた。堅実な金銭感覚を持っているから、無駄遣いもしないだろう。これなら俺の妻として適任だ、妻としての役目を十分果たしてくれると思ったんだ。それに、結婚しないとおまえとセッ・・おまえを抱くことができなかったしな。かなり焦らされた上に、俺はかなりの犠牲を払ったつもりなんだが・・実際のところ、その点はガッカリさせられたよ」

・・・なんなの一体、その・・答えは。

唖然としている私に、壮介さんは「何だよ」と言った。
バカにした表情は、相変わらずだ。
< 304 / 483 >

この作品をシェア

pagetop