恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「してない。てかできなかった。先輩は俺の案を100パーセントそのまま盗用することなく、その中に自分の案を微妙に織り交ぜた上で、“先輩自身の設計”にしたんだ。だが先輩自身の案は、全体の1割・・いや、5パーセントってとこだったから、俺にはすぐ分かった。たぶん会社の同僚設計士たちや関係者も薄々分かってたと思う。それでも、“先輩の設計”として会社が認めた以上、俺は何も申し立てることができなかった。信用していた人たちに騙されて、会社にも嫌気がさした俺は、会社を辞めて東京に拠点を移すことにした。ホントは建築関係のことから一切手を引こう思ってたんだが・・どうしても踏ん切りがつかなかったんだ。俺はまだ、自分の夢を叶えてないから」
「え?」
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