溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
君嶋課長が吐き捨てるように笑うと、石川さんの顔がみるみるうちに赤くなり、マウスを固く握った手がぶるぶると震え出す。
上司とはいえ年下の君嶋課長にそんな態度をとられれば、怒りたくなるのも無理はないかもしれない。

「それで?
どうするんだ?
久保に責任押しつけて怒鳴り散らして終わりか?」

「……っ」

石川さんはとうとう、俯いて黙ってしまった。

「久保」

「は、はいっ」

君嶋課長も石川さんも怖くてただ黙って突っ立ってたら、課長から名前を呼ばれて慌てて返事をした。

「納入予定だった商品の一覧を出せ。
仕入部に行って掛け合ってくる」

「すぐ出します!」

俯いたままぶつぶつ言っている石川さんを無視して席に戻ると、超特急で君嶋課長に言われた一覧をプリントアウトして渡す。
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