溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
胸ぐらを掴まんばかりに花山さんが詰め寄ってくる。

いつから付き合ってたって、交際期間零日で結婚しましたけど?

……などというと説明が面倒臭そうなので黙っておいた。

「黙ってないでなんとか言いなさいよ!」

言えといわれても私は住むところが欲しかっただけだったし、君嶋課長は後継者問題を回避したかっただけで結婚しましたと正直に話してしまうと、さらに怒らせそうだ。

「だいたい、あんたみたいな根暗女、君嶋課長にふさわしくないのよ!」

振り上げられた手に目を閉じる。

――嵐は通り過ぎるのを待つしかない。

それはこれからだってきっと、変わらない。

バシッ、花山さんが私の頬を叩くとひっと小さくまわりから悲鳴が漏れる。
叩かれた頬がじんじんと痛むが、私は無感情に花山さんに視線を向けた。

「……気がすみましたか」
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