溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
いい獲物を見つけたというかのように、にたぁっと洋はねっとりと絡みつくような笑みを浮かべた。

「へぇ、おまえ、結婚したんだぁ。
オレにこんな惨めな生活させといて、おまえが幸せになれるなんて思うなよ」

カタカタと手が震える。
せっかく、幸せを掴みかけているのだ。
なのに、洋に壊されるなんて。

「とりあえず今日と同じ三万、また明日持って来いよ。
わかったな」

「……はい」

完全に私は、洋と付き合っていた頃に戻っていた。
なにも言えず、なにも決められず、人の顔色を窺うばかりの私に。



玄関のドアノブに手をかけると、一度深呼吸する。

「ただいま」

努めて明るく振る舞ってドアを開けリビングまで行くと、すぐに書斎から蔵人さんが出てきた。
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