溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
蔵人さんからもらってる生活費から、下ろしたお金に上乗せした。
生活費に手を着けるのは心が痛く、昨晩、眠っている蔵人さんに何度も何度も詫びた。

「じゃあ、もう会うこともないと思うけど」

冷めたコーヒーを一気にのどに流し込むと、苦さで顔をしかめる。
席を立つと返却コーナーにカップを返した。

「今度はオレから逃げられると思うなよ!」

店を出る私の背中に追ってきた洋の声は、まるで死に神のようだった。



隣で眠っている蔵人さんの顔をじっと見つめる。

……もうこの生活も終わりなのかな。

蔵人さんに押し切られる形ではじまった結婚生活だったけど、結構幸せだった。

……うん、幸せだったのだ。
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