溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
尾上くんに手招きされて席を立つ。

「例の元彼?
下に来てます」

そっと耳打ちされると、一気に血の気が引いていく。
視線を感じて見ると、蔵人さんがじっと私を見ていた。
聞きたいことがあるのはわかる。
けれど私はなにもできずにすっと視線を逸らしてしまった。

「わかった。
ありがとう」

視線を尾上くんに戻すと、落ち着かない様子だった。
やはり蔵人さんがいる前で私とこそこそ話しているなんて、どことなく後ろめたさを感じるのだろう。

「このこと、君嶋課長には?」

「いい。
黙ってて」

心配そうな尾上くんを残してロビーに降りると、洋が騒いでた。

「和奏いるだろ、久保和奏。
出せよぅ」
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