溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「和奏?」

「お願い、ですから……」

次第に声は鼻声になっていく。
けれど小雪の臭いのする胸でなど泣きたくない。

「仕事なんだから無理だってわかっているだろ」

冷たい声に突き放された、そう感じた。

「すみません、わがまま言いました。
……先に寝ますね、おやすみなさい」

身体を離し、俯いたまま顔も見ないで寝室に行ったけど、蔵人さんは追ってきてくれない。
ベッドに入ったけれどまだ小雪の臭いがする気がして眠れなかった。

「……和奏」

だいぶたって蔵人さんが寝室にやってきた。
慌てて目を閉じ寝たふりをすると、蔵人さんは私の枕元に座った。

「すまない、このところ疲れが溜まっていてつい当たってしまった。
本当に悪かった」
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