溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
はぁーっ、こめかみを軽く押さえてため息をついている蔵人さんは私の見間違いだろうか。

「一時までに戻ってこい。
時間厳守だ」

「エー、わかったわよぅ。
……さ、行きましょ」

いいともなんとも言ってないのに、小雪は私の腕を取ると強引にずるずると引きずっていった。

個室でお勧めの店に連れて行けとか言われたって、ずっと社食とお弁当でお昼をすませてきた私が知るわけもない。

「つまんない子ね」

ぶーっと子供のように小雪は頬を膨らませた。
もしかしてこういうところが可愛いとか蔵人さんは思っているんだろうか。

「ハロー、蔵人?
この子、ぜんぜん使えなーい」

電話をかけはじめた小雪にムカっときた。

つまらないとか使えないとか。
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