溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「ただの気分転換ですよ。
蔵人さんもよく似合ってるって喜んでくれましたし」

髪を切って別人になって気持ちを確かめようなんて、あのときの私はどうかしていたとしか考えられないが。

私の答えに小雪は白けている。
動揺した私を笑いたかったのかもしれないが、そうはいかない。

「それで。
蔵人とは別れる気になってくれたかしら?」

こほん、気分転換するかのように小さく咳払いすると、小雪は余裕たっぷりの笑みを浮かべて見せた。

「いいえ」

これ以上ないほどいい顔で、こちらからも余裕たっぷりに笑い返すと、小雪が若干、引いた。

「蔵人さんは私に愛してるって言ってくれました。
俺をこんな気持ちにさせたのは私だけだ、って」

「……そう」

少しだけ笑った小雪はいままでの自信に満ちた姿とは違っていた。
< 238 / 248 >

この作品をシェア

pagetop