天使は金の瞳で毒を盛る
でも、それまであまりにも長く近くにいたから…。

もし、って考える。もし、私がお嬢様でなかったら?もし、彼が引き取られてなかったら?

もし、普通に課長と部下として出会ってたら?もし…。

そんなタラレバは無意味なのは知ってる。そして、もしそうだったら…、

できの悪い部下として課長に認識されていた、というだけだっだろう。それだけ。

思わずため息が出てしまう。ああ、もう、スヤスヤ寝てるし!


本気で怒れないのは好きだから。

そして悲しいのは愛されてないから。

9年いなくていきなり現れて、結婚の理由が愛しているからなんてありえないことぐらいわかる。

今でもお嬢様として大事に思ってくれているのは感じる。でも……。

…別にね、結婚にはそれほど夢はもっていないの。というより、この家に生まれた者としての義務の一つだと思う。

だから、ものすごく嫌いでなければいいし、相手にも、嫌われてなければいいよね?ぐらいに思っている。

だから、お父様が選んだ人で、向こうも選んでくださるならそれでいい。

榛瑠以外なら。…うん。

きっと、彼もそのうち諦める。っていうか、それとは別に普通にお父様の後継者になればいいのよ。もうほとんど、うちの子なんだから。

そう思って、ちょっと笑ってしまった。子って大きさじゃないわ、この人。

客用ベットが小さく感じるもん。でも、体に比べて頭は小さい。脳みそもきっと小さいはずなのに、なんであんなに使えるのかしら。

…頭小さいのにおでこ広いのすき。それを隠す柔らかい髪がすき。スーツだと髪分けちゃっててすきじゃない。

でも、ときどき、乱れて額に落ちてるのが好き。まつげも長いしなあ。

それから、時々、金色に見える瞳がすき。
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