天使は金の瞳で毒を盛る
「ありがとうございます、でも、大丈夫です。自分でできますから」

そう言って、榛瑠はベットから降りようとした。

「ちょっと、何してるの!」

「起きるんです。だいぶ良くなったので。」

「まだ熱っぽいわよ、休んで無いとダメ。ほら、ベット戻って。」

私はそう言って、榛瑠をベットに押しやる。

「本当に大丈夫ですよ。まだやることもあるし…」

なんか、怒れちゃう。人が心配してるのに。

「絶対だめ。はい、寝ましょう」

そう言って、上布団をかける。榛瑠が軽くため息をつく。

「あのね、お嬢様」

そう言ってまた起き上がろうとする。もう、意地でも寝かしてやるっ。

私は、ベットの上に上ると、榛瑠の頭から布団をかけて押さえつけた。もちろん力ではかなわないけど、意外に抵抗されなかった。観念したかな?

って、あれ?なんか、動かないよ?あれ、あれ?

「榛瑠?ごめん、大丈夫?苦しかった?」

私は顔にかかっていた上布団をあわててめくった。

榛瑠は全く苦しそうではなかったけれど、静かに目を閉じて上を向いていた。

「榛瑠?」

彼がゆっくり目をあけた。金色の瞳が私を見上げる。

やばい、と思った。

彼が手を伸ばして、私の髪を撫でた。どうしよう、動けない。

榛瑠は無表情なまま私を見ていた。その瞳から何も読み取れない。

なのに髪を撫でる手が優しくてどうしたらいいかわからない。

私、いまどんな顔をしてるだろう。
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