突然現れた御曹司は婚約者

「お!今日はスタミナ丼か!ありがたいな。疲れてたんだよ」
「疲れてるならご自宅で休まれた方がいいんじゃないですか?」


付け合わせの冷や奴と海藻スープを出しながら蓮に言うも、「そんなこといいから早く栞も席に着いて、一緒に食べよう」とアッサリと退けられてしまった。

それを聞くたび、蓮は私がひとりで食事を取っていることを気にしているんだな、と思う。


「気を使わせたくないのに」
「なに言ってるんだ。俺は栞の手料理が食べたくて来てるんだ。栄養満点で外食するより体にいいし。それに3日置きでも栞に会わないと栞不足で倒れそう」


スタミナ丼を食べながら切なく笑う蓮を見て、どうしてそこまで、と思ってしまう。

私を見初めてくれた経緯は聞いたけど、ここまで想ってもらえるような人間ではない。


「本当に私でいいんですか?」
「そんなに不安?」


上目遣いに見られて、思わず視線を逸らしてしまった。

それを機に蓮は立ち上がり、私の腕を掴むと強引に立ち上がらせて膝裏に手を差し入れた。


「な、なにしてるんですか?!」
「お姫様抱っこ」


そう蓮が言った途端、フワリと体が浮いた。


「お、下ろして」
「イヤだね。スタミナついたことだし、証明してやる。寝室はどこだ?」


視線を彷徨わせる蓮に寝室はないと言う。
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