突然現れた御曹司は婚約者

「私も、好きです」


小さいけどはっきりと伝えれば蓮はふぅっと息を吐き出して私の肩に額を乗せた。


「良かった。想いが繋がって。すごく、すごく嬉しいよ」
「そう言ってもらえて私も嬉しいです」


蓮の背中に手を回し、ギュッと抱き締める。

すると蓮が髪にキスをしてくれた。


「可愛すぎ。このまま押し倒したくなる。ていうか、このまましようか?」
「いや、で、でも、明日も仕事ですよね?そろそろ帰らないと」


疲れてると言っていたのはちゃんと覚えてる。

それならしっかり休んで欲しい。

蓮から離れて、タクシーを呼ぶためにスマートフォンを取りに行く。

でも後ろから腰に回った手が私を元の位置に引き寄せた。


「明日は栞が働く信用金庫に行く予定だから、栞と気持ちが通じたらこのままここに泊まるつもりでいたんだ」
「え?あ、あのスーツケース。そのためのものだったんですね」


用意周到というか…

私が蓮を好きだと言うことを分かっていたんじゃないか。

まったく、蓮には敵わない。

私はただ彼に身を任せるだけだった。

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