突然現れた御曹司は婚約者
だから…


「来なくてもいいですよ」


週末。

私の自宅に泊まることが多くなった蓮に、布団を敷きながら話すことにした。


「今は携帯電話という便利なものもあるので会えなくても声を聞くことや連絡を取ることは出来ますから。もう少し会う頻度を減らしても大丈夫です」
「栞は俺に会いたくないのか?」


シーツの反対側を持ってくれていた蓮がその手を止めて私を問い詰める。


「一緒に食事するのは嫌?こうして会いに来られるのは迷惑?毎回触れられるのはしんどい?」
「そういうことじゃないです。私はただ…蓮さんの体を心配してるんです」


シーツをピンと張り、布団に掛けながら少しだけ誤魔化しながら答える。

蓮もそれに倣い、反対側のシーツを布団に掛けながら答えた。


「それなら気にするな。俺は好きで来てるんだから。むしろここに来るために仕事も効率よくこなしてるし、栞に会えるから翌日も仕事を頑張ろうって思えるんだ」


真摯な眼差しはその言葉に嘘はないと思わせるには十分だ。

でもこのままでいいわけがない。

かと言って私が蓮のところに行くと言っても、蓮は迎えに来ると言うし。
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