【BL】貴方を好きになっていいですか?
僕を抱き締める力を強めた。
若干喉元が苦しくなったが、僕はそのまま部屋のドアの前へ歩きながら、
「…しょうがないだろ。仕事が入ったんだから。…それより、この手、いい加減放してくれない?呼吸出来なくなりそうなんだよね」
直貴の腕を引き離そうとしながらそう言った。
――僕のその何気なく言った言葉と、腕を離そうとした行動に、直貴は傷付いた。
「…彰さんは、やっぱり俺の事なんかどうでも良いんだ…」
「……え?」
直貴の声があまりにも小さく、聞き取りにくかったため、僕はもう一度聞き返した。
……悪気なんかなかった。
「……彰さんは、やっぱり俺の事を"恋人"として見てくれていない。…彰さんの目に映る俺は"恋人"なんかじゃなくて、所詮"義兄弟"止まりだったんだ…!」