獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
「国王陛下、大変ですっ!」


そこに、執務室に群がる騎士達の間を縫うようにして割り込んでくる者がいた。


レイモンド司祭だ。よほど慌てて駆けて来たのか、銀フレームの眼鏡はずれて髪も乱れている。


「城の前に、この国の政務に反対する民衆が集まっています……! 元老院を解散させ、カイル殿下に軍事の指揮権を受け渡せと……!」
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