獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
相変わらず、カイルとは一切接点のない日々が続いている。
ことに元老院制が廃止され大改革が起こってからは、出兵のための準備で城中の人間が慌ただしくしていた。その中心にいるカイルは言わずもがな、寝る間もないほどに忙しかったと聞いている。
今宵は出兵する騎士達の家族やこの国の重鎮たちが集うと聞いているが、アメリはカイルは来ないのでは、と予想していた。
準備の疲れもあるだろうし、そもそもカイルはアメリを避けていたからだ。
「うーん、そうですね……。カイル殿下は気難しく、これまで一度もパーティーには出席されたことがないのでもしかしたら……」
二十歳そこそこと思われるそばかす顔の侍女は思案するように上を向きながら言ったが、アメリの表情に気づいてハッと口を閉ざす。そして、やや無理やりな笑顔を見せた。
「でも、今日はきっといらっしゃいますよ! なにせ、今夜の主役なのですから」
ことに元老院制が廃止され大改革が起こってからは、出兵のための準備で城中の人間が慌ただしくしていた。その中心にいるカイルは言わずもがな、寝る間もないほどに忙しかったと聞いている。
今宵は出兵する騎士達の家族やこの国の重鎮たちが集うと聞いているが、アメリはカイルは来ないのでは、と予想していた。
準備の疲れもあるだろうし、そもそもカイルはアメリを避けていたからだ。
「うーん、そうですね……。カイル殿下は気難しく、これまで一度もパーティーには出席されたことがないのでもしかしたら……」
二十歳そこそこと思われるそばかす顔の侍女は思案するように上を向きながら言ったが、アメリの表情に気づいてハッと口を閉ざす。そして、やや無理やりな笑顔を見せた。
「でも、今日はきっといらっしゃいますよ! なにせ、今夜の主役なのですから」