獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する

「今度は、お前が約束してくれ」


天色の瞳が、切実な色を浮かべる。


「もう二度と、俺を置いてどこかに行かないことを。一生、その先も、ずっと俺の傍にいることを」


苦しげなカイルの言葉が、アメリの胸に刺さる。


アメリがどれほどカイルを苦しめ不安にしたのかを、思い知った。


その孤独は、悪獅子と罵られていた頃とは比べものにならないほどに深いものだっただろう。


それでも、彼は気丈に前を見据え国を守った。


全ては、アメリのためだけに。







「あなたを、不安にさせてしまったことをお許しください」


この想いは、言葉では伝えきれない。それでも、言葉にしなければならないのがもどかしい。


こんなにも、愛が尊いものだとは知らなかった。


一生をかけて、彼にこの感謝の気持ちを捧げたい。


「約束します。カイル様。これからは、一生、その先も、ずっとあなたの傍に寄り添います」