獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
二年前、レイモンド司祭がアメリを刺した短剣には、猛毒ゼロノスが塗りこまれていた。
その場にいた騎士達は総出で夜通し国中を駆けまわり、どうにか解毒剤を用意できる薬師を探し出した。
そしてアメリは一命をとりとめたものの昏睡状態に陥り、そのまま目を覚ますことはなかったという。
カイルはミハエル老人をはじめ町の人々に頼み、アメリのために部屋中をガラスで装飾した。
部屋の装飾が終わると、今度は回廊を色とりどりのステンドグラスで埋め尽くした。
それでも物足りず、王の間、ギャラリー、庭園に至るまで次々と城は改修されていった。
重々しい要塞城だったロイセン城はいつしか白亜の美しい城に変わり、無数の色に満ちた煌びやかな内装からも人々を魅了するようになる。
城だけではない。この二年のうちに、王都リエーヌも様変わりしていた。
ハイデル公国が破れたことで、その同盟国だった国々が次々とロイセン王国と交流を持ちたがるようになった。また未開の地だったラオネスクと同盟を結んだことで、資源に溢れたラオネスクからの供給も確保できるようになった。結果、リエーヌの町には物資が溢れ、世界有数の都市として賑わうようになったのである。
また、国王がガラス産業に力を入れていることもあって、リエーヌには世界中からガラス職人が集まるようになった。町には色とりどりのガラス細工の店が並ぶようになり、王都リエーヌはいつしか”虹の都”として世界中に名を知られるようになっていた。
その場にいた騎士達は総出で夜通し国中を駆けまわり、どうにか解毒剤を用意できる薬師を探し出した。
そしてアメリは一命をとりとめたものの昏睡状態に陥り、そのまま目を覚ますことはなかったという。
カイルはミハエル老人をはじめ町の人々に頼み、アメリのために部屋中をガラスで装飾した。
部屋の装飾が終わると、今度は回廊を色とりどりのステンドグラスで埋め尽くした。
それでも物足りず、王の間、ギャラリー、庭園に至るまで次々と城は改修されていった。
重々しい要塞城だったロイセン城はいつしか白亜の美しい城に変わり、無数の色に満ちた煌びやかな内装からも人々を魅了するようになる。
城だけではない。この二年のうちに、王都リエーヌも様変わりしていた。
ハイデル公国が破れたことで、その同盟国だった国々が次々とロイセン王国と交流を持ちたがるようになった。また未開の地だったラオネスクと同盟を結んだことで、資源に溢れたラオネスクからの供給も確保できるようになった。結果、リエーヌの町には物資が溢れ、世界有数の都市として賑わうようになったのである。
また、国王がガラス産業に力を入れていることもあって、リエーヌには世界中からガラス職人が集まるようになった。町には色とりどりのガラス細工の店が並ぶようになり、王都リエーヌはいつしか”虹の都”として世界中に名を知られるようになっていた。