獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
漠然とした不安、そしてカイルへの行く当てのない苦しい恋心を抱えつつも、リエーヌでの毎日は充実していた。
アメリは、日々ガラス作りに励んだ。
珊瑚色、若草色、空色、菫色。シルビエ大聖堂を彩る唯一無二の美麗なステンドグラスを作るために、母に教わった様々な染料も調合した。
染料は、主に野山に生える花や実から抽出される。幼い頃から母の手もとを見つめ続けてきたアメリの頭には、染料のレシピが完全にインプットされていた。
だからヴァンを連れてリエーヌからほど近い野山に出かけては、たっぷりと花や実を収穫し、夜が更けるまで染料作りに精を出した。
ミハエル老人は、アメリの染料に関する知識量の多さに驚いていた。
母に聞いた色言葉をミハエル老人に教えれば、老人は感心したように聞き惚れ、その意味合いをもとにステンドグラスに描く模様の色の配置を決めていった。
鮮やかに彩られた美しいステンドグラスが、着々と数を増やしていく。
そのうちに、見かけない女がミハエル老人の工房でガラス作りを手伝っているとの噂が流れ、野次馬が来るようになった。中には、ヴァン狙いの町の女たちも多くいた。
アメリは、訪れる女たちや子供たちのために、余ったガラス液で小さなガラス玉を作ってプレゼントした。
幼い頃から、母の真似をしてガラス玉をよく作ったのでお手のものである。細いパイプの先に染料を流し込んだ僅かなガラス液を付着させ、息を吹き込めばあっという間に完成だから、肺活量の少ない子供でも容易い。
驚くほど簡単な代物だが、それがこの町の人たちには物珍しいらしく、輝くガラス玉は瞬く間に評判を呼んだ。
次第にガラス工房には人が集まり出し、誰からともなくガラス作りの手伝いをするようになった。
いつしか、ミハエル老人のガラス工房は、四六時中人々の話し声が溢れるようになっていた。
リエーヌでの毎日は、思いもかけないほどに楽しかった。
そして気づけば、アメリが城を出てから二週間が過ぎていたのである。
アメリは、日々ガラス作りに励んだ。
珊瑚色、若草色、空色、菫色。シルビエ大聖堂を彩る唯一無二の美麗なステンドグラスを作るために、母に教わった様々な染料も調合した。
染料は、主に野山に生える花や実から抽出される。幼い頃から母の手もとを見つめ続けてきたアメリの頭には、染料のレシピが完全にインプットされていた。
だからヴァンを連れてリエーヌからほど近い野山に出かけては、たっぷりと花や実を収穫し、夜が更けるまで染料作りに精を出した。
ミハエル老人は、アメリの染料に関する知識量の多さに驚いていた。
母に聞いた色言葉をミハエル老人に教えれば、老人は感心したように聞き惚れ、その意味合いをもとにステンドグラスに描く模様の色の配置を決めていった。
鮮やかに彩られた美しいステンドグラスが、着々と数を増やしていく。
そのうちに、見かけない女がミハエル老人の工房でガラス作りを手伝っているとの噂が流れ、野次馬が来るようになった。中には、ヴァン狙いの町の女たちも多くいた。
アメリは、訪れる女たちや子供たちのために、余ったガラス液で小さなガラス玉を作ってプレゼントした。
幼い頃から、母の真似をしてガラス玉をよく作ったのでお手のものである。細いパイプの先に染料を流し込んだ僅かなガラス液を付着させ、息を吹き込めばあっという間に完成だから、肺活量の少ない子供でも容易い。
驚くほど簡単な代物だが、それがこの町の人たちには物珍しいらしく、輝くガラス玉は瞬く間に評判を呼んだ。
次第にガラス工房には人が集まり出し、誰からともなくガラス作りの手伝いをするようになった。
いつしか、ミハエル老人のガラス工房は、四六時中人々の話し声が溢れるようになっていた。
リエーヌでの毎日は、思いもかけないほどに楽しかった。
そして気づけば、アメリが城を出てから二週間が過ぎていたのである。