逃げたがり王女~さらわれ囚われたと思ったら溺愛されてました!?~
「な…なにをっ…」
 
ふっと笑ったヴィンセントが頤に手をかける

「その威勢もいつまで続くものか。」
 
「…わたしをどうするつもり?それよりどうしていきなりこんなところへ訪ねてきたのですか。ベルダー伯爵。」
 
「ヴィンセントだ。その妙な言葉遣いもやめろ。それにどうして訪ねてきたかって…それはお前が一番よく知ってるんじゃないのか?ユティーリア。」

「…分かりません。それにわたしはユティーリアじゃない。ユリィ・ファラコットよ。」
 
「いや、お前は紛れもなくユティーリアだ。見間違えるはずがない。それに…」
 
頤を持ち上げてあおのかされる
 
「言っただろう?その威勢もいつまで続くか……」
 
「それは…どういう…っ!……」
 
気づいたら唇がヴィンセントによって塞がれていた
 
驚いたのもつかの間、唇を重ねるヴィンセントに猛然と抵抗する

「…っん…ゃ……やめっ…………」
 
息が苦しくてさらに抵抗しているとヴィンセントの苛立たしげな舌打ちが聞こえてきた
 
つきはなそうとしていた手は片手でやすやすと封じ込められ頭の中が真っ白になる
 
驚きと恐怖に膝がガクガクと震え、体から力が抜けそうになる
 
もう抵抗しないと思ったのか
 
口づけが奪うような激しいものから、味わい宥めるようなものにかわる
 
手首の拘束も少しゆるみ…
 
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