クールなサイボーグ部長の素顔
「えぇぇ!めずらしく会えたからすぐに聞けると思って楽しみにしてたのに!」

そう文句をいうので

「多分、美咲の読みで間違ってない。で、私はやや逃げ腰。現在進行形で逃げてる最中、以上」

そう言うと

「社内一の出世株で、実は社長の親戚との噂もある木島部長よ?仕事はサイボーグだし、無表情だけど美形だから人気あるのよ?」

「下で働いてみなさい。仕事の振り方本当に鬼だから」

ぼそっと言うと

「そういや、千波はついこの間まで直属の上司だったわね」
「そうよ。そんな間柄でどうしろっていうのよ?直属じゃなくっても現在も上司だしね?」

そう返せば

「なかなか大変そうね。ま、でも何事も自分に正直なのが一番よ?」

そう美咲に返され

「確かにね。でも、なかなかに難しいわ」

苦笑と共に言えば

「これは、部長が気長に待つしかないわね。頑張れ部長!」
「あんた、私の味方じゃないのね?」
「私は面白くなる方の味方!」

そう言ってクスッと笑う美咲は小悪魔的な微笑みを浮かべた。
そういう表情が良く似合う女子だ。
ほんと、美形ってお得だなと見つめて、軽くため息をついたのだった。

さぁ、気の乗らない約束はあるが仕方ない。
とりあえずその約束に間に合うように午後も仕事を進めるべく、食後のお皿を返却口に下げて、自分のデスクへと戻った。

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