クールなサイボーグ部長の素顔
午後の仕事の前に眠気に勝てるように、持ってきてるタンブラーにコーヒーを詰めて席に戻る。

営業部では飲み物はセルフである。
女子にお茶くみなんてさせない。
みんな各々仕事を持っているのだ。
時間配分は自分でというのが鉄則だ。
なので、ここには男性でも女性でも効率的かつガツガツ、サバサバと仕事をする人間が集まっているというのが現在の営業部である。
そして、話は上手いしコミュニケーション能力の高さもピカイチと。
しかし、気遣いはあるので、私の首筋に突っ込んでくる者は午前中は居なかった。
優しさもあるのよね。

しかし、そこに現れる強者。

「千波ちゃん?おはよ!さぁさぁ、コレはどうしたのかしらぁ?」

そう人の首筋にツツーっと指を這わせたのは、同じ営業一課の先輩で今日から課長になった山野辺里美女史である。
メガネの似合うキリッとしたアラフォー世代のバリキャリの上司。
そんな、上司の山野辺さんは学生結婚の為、実は既に成人した子どもが居るという女性としても尊敬してやまない凄い人。
仕事して、家庭のことも子育てもって凄いとしか思えない。
しかし、そんな山野辺女史にバレると面倒なのが恋愛関係である。
この方、人の恋愛話が大好物なのだ。

「山野辺課長、そろそろ午後の始業ですから」

やんわりと逃げを打つと

「ふーん、とりあえず犯人はアレよね?」

目線の先は営業部長の仕切られた部屋。
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