クールなサイボーグ部長の素顔
「ゴッホゴホ…。山野辺さん、どうして木島さんがずっと私を好きだと思うんです?」

疑問を聞くと

「あら、愚問ね。サイボーグと呼ばれようが彼も普通の男よ?好きな子には自然と目線で追うものよ。目線の先の人物を見つければ自ずと答えは分かるものよ」

山野辺さんの観察眼恐るべし。

「長いこと見てるだけで居たから、どうなのかしらと思っていたの。そしたら彼氏と別れたって聞いたら動き出したでしょ?あぁ、チャンスを待つタイプの男だったのねと思ったわ」

そうクスクスと笑っていう山野辺さんに

「そういうタイプって逃げ出したらどうなります?」

思わず、聞いてみると

「んー、待てるタイプの男って動き出す時は既に用意周到だから逃がさないと思うわ。それこそ千波ちゃんは既に木島くんの囲いの中だと思うけどね?あの木島くんだし?」

さらっと言われた。

そんな、そんなのってない。
逃げられないって、そんな予測嫌だけど。
仕事でも先読みの得意な山野辺さんが言うのだ。
これは9割そうだと思わないとならない。
残りの1割?
私の希望的観測です!
多分そこは本来もっと割合少ないとは思うけど、譲りません!

「山野辺さん、用意周到な男から逃げる方法ありません?」

ダメ元で聞いてみたら

「捕まる方が楽だと思うけど。嫌なら他の男を捕まえるしかないんじゃない?」
「それ、妨害されません?」
「全力ですると思うわ。だって逃がす気無さそうだもの」

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