クールなサイボーグ部長の素顔
落ち着いてから、部長と別れてから時間を置かずに自席に戻った私は、約束の五分前まできっちり仕事をしてから退勤して駐車場に向かった。

その時にはもう部長は居なかったので先に退勤したのだろう。
うっかり仕事に集中しすぎたかもしれない。
待たせてしまっていることに少し焦りつつたどり着いた駐車場では、車に寄りかかってタバコを吸ってる部長が居た。

「すみません、お待たせしました」

そう言って近づくと、部長はすぐにタバコを消して携帯灰皿に始末した。

「いや、俺も来たのは少し前だし、千波は時間ぴったりだろ?気にすることじゃない」

そう言ってくれる声も表情も、すでに仕事中の部長ではなく、週末の時のようなオフの部長だ。
声は優しく、表情は柔らかく甘い。
だから、そのギャップは反則だと思う!!
しかも、頭ポンポンもそれ、女子的にキュンキュンするから!!
部長の大きな手は、優しくポンポンしてくれる。
つい甘えて、擦り寄りたくなるくらいに…

って、ダメでしょ!!
流されるな、私!!

なんだろう、部長と過ごすのは下手な仕事より疲れる。
主に精神面で。
これ、私自宅にたどり着くまで耐えられるんだろうか。
自信は、持てない…。

「ほら、お腹空いただろう?乗って?ご飯食べに行くぞ」

< 27 / 72 >

この作品をシェア

pagetop