【短編】あなたとの距離、近くて遠い

「おはようございます。ご気分はどうですか」

 久保田さんは私の様子を見にきてくれた。

 まぁ、それも仕事の一環だから見に来てくれた訳でなにも期待はしていないけど。

「はーい。花野さん、よく眠れました?」

 そう、ただ私の身体の状況を聞きに来ただけ。

私はそんなことを考えていたせいか、ボッーとしていたみたいで、久保田さんの声がした。

「花野さん、どうしました?」

 私は久保田さんの声を聞いて、久保田さんを見た。

「……あ、いや別になにもないです」

 ずっと下に俯いて、声を発しないことから心配してくれたみたいだ。
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