レヴィオルストーリー2

教皇の声なのだろう、従者ははい、と返事をしてから、目の前の大きな扉に手をかける。

彼によって開かれた両開きの金色のそれは、微かな音をたてて中を覗かせた。


中は金色の扉とは違い、白というより銀色。

物凄い装飾が広い部屋の隅々まで施され、天井はカラフルなステンドグラスに覆われている。


「わ…」

ルシアンが歓声をあげてそれに見とれた。


従者が前に進み、アレン達はそれに従う。

一番奥の金色の王座らしきものに、サリルナ教皇は座っていた。


白い長い髪、白い肌。

瞳や衣服までもが白い。


教皇は真っ白に染まっていた。



「遠いところを来ていただいてありがとうございます、皆さま方。」

教皇はアレン達が自分の前に立つと、穏やかに微笑み立ち上がった。

アレンに近寄り、その手を取る。


「…アレン=ブロドニス、ですね。お待ちしていました。」


そう言って取ったアレンの手を両手で包み、軽くあげてキスをした。




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