レヴィオルストーリー2

第一集中治療室から出た廊下に、クナルが言っていた通りルシアンがいた。



「ルシアンさん」



レイが声をかけると、黒い豊かなくせ毛を揺らしてこちらを向く。


彼女は美形少女の泣き腫らした目を見て、気の毒そうに眉を下げた。



「レイ様…」


「アレンをよろしくね」



頑張って笑顔をつくり、そろそろ限界なレイはそそくさとその場を去る。


他の医師達に挨拶する余裕など、もうこれっぽっちもなかった。





集中治療室が並ぶ先のドアを開き、普通の廊下に出たところでレイは誰かとぶつかる。



「きゃ」

「わっ、レイ!ごめんっ」



小さく悲鳴をあげ尻餅をついたレイに謝るその声に、彼女は顔を上げた。


そこにはレイを心配そうに見るイルがいる。




「…イル…」



その彼女の顔を見た瞬間、レイの中で何かがぷっつり切れた。


ポロポロと我慢していた涙が溢れる。




「えっ、レイ?どしたのっ?大丈夫????」


「…私、アレンが死んじゃったらどうしよう…っ」



慌てるイルに、レイは泣きながら弱音を吐いてしまった。


イルはぱちぱち瞬きすると目をつり上げる。






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