mariage~酒と肴、それから恋~《6》
「あ、ここだよー」

こたつから凱くんの着替えを取り出す。

食事前にこたつの中に忍ばせて温めておいてあげてた。


「わ、ありがとー」

凱くんは嬉しそうに袖を通す。

「ぬくぬくー♪♪あったかいと幸せだよねー。ほら、ぬくぬくでしょー」

と、ギュッと私に抱きついた。


「ほんとだ。ぬくぬくだね」

私もギュッと受け止める。


一呼吸置いてから、

「…結希乃ちゃん、実家、一緒に来てくれるよね?」

甘えるような声で再度尋ねてきた。


「うん。もちろん」


「良かった。ありがとう」

さらに、ぎゅーーっと力を込めてきた。


ありがとうはこっちの台詞だよ。

私もぎゅーっと腕に力を込める。


凱くんの温もりが、体の芯まで温めてくれる。


ずっと寂しかったんだ。

私のことを考えてるよって、分かればそれだけで良かった。

ちゃんと、考えてくれていた。


ささくれてた心が、すーっと癒される。

さすが、天使だ凱くん。
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