【長完】Keeper.l
「昨日街を歩いてたらヤラない?って言われてご飯一緒に食べてホテルに入ったんだよね。それで起きたら5万円消えてた。」
「声をかけたのはお前だったとさっき雪が言ってたな。」
『ええ。私からよ。』
「輝がハニトラとか言ってたな。雪が暴走族だってことを知って近づいたのか。」
『いいえ。今初めて知ったわ。』
まぁなかなか圧のある一問一答だ。
「雪。お前記憶がねぇって言ってたよな。寝たのか?どこまで覚えてんだよ。」
金髪が口を挟む。
「ホテル入ったところまでかなぁ。シャワー浴びて、この子が出てきて、それでそこからの記憶が全く。寝たにしても眠くなかったから腑に落ちなくてね。」
「アルコールなんて未成年だから飲まない物ね」
「下手に外で飲んだら警察沙汰だからねぇ、可能な限り目につくとこでは控えるよ。」
目につかないとこでも控えろ、未成年飲酒だろ。なんて思いながらそっと天井を見る。この現状、正しく吊し上げである。
「睡眠剤を入れたの?」
『いいえ。』
「僕そもそも睡眠剤そんなに効かない。」
メガネが聞く。
「実は雪くん本人も気づいてないだけでめちゃ疲れて寝てたとか?」
お姫様が問う。
「違うよ。」
「こいつの自発的な気絶以外はこの女がやったんだろ。眠剤でもないとなると純粋に……暴力か?お前と大体同じかそれ以上に身長も高い男だぞ。」
『総長さん、気づいてるから連れてきたんじゃないの?』
金髪も自分で答えにたどり着いたようで何より。
「考えづらかったが、まさかとは思ってな。」
「……どういうこと?」
お姫様はまだ想定を抜けきれていないのか、思い至っていないのか眉を顰める。