【長完】Keeper.l
「あっ!!君っっ!!」

藍色が、私の方を見て叫ぶ。

何だ?と首を傾げる。………あれ?この顔、どこかで見た?

「僕の福沢さん、5枚!!盗んだでしょ!!!下ろしたばっかりなのに!」

そう言われ、一瞬考えた。あー、そういうことか。

『私の昨夜の相手、あんただったんだ。もう使ったから、返せない。』

そう言えば、周りの男達は複雑そうな顔をする。きっと、私達の話の意味が分かったんだろう。

まぁ、目つきの悪そうな男は、嫌悪の視線を私に向けているが。

そんなの別に、どうでもいい。【あの人】が私に生きて待ってて、と言ったんだから。生きる為なら、どんな手段でも、使ってやる。

藍色の方を見れば、まだ、何か言っている。

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