【長完】Keeper.l
その代わり軽快に走ってくる足音。

「千歩!大丈夫だった!?」

「……椛さん!!!」

安心したのと驚きで涙が出てきそうになる。

「椛さん、なんでここに……?」

「千歩が一人で帰るっていうから来たの。凄いね、これ、一人で?」

「はい、適当に総長さんが貸してくれた武器を振り回してたのでよく覚えてないんですけど……。」

「そっか。千歩、行こう。」

そう言って私の手を引っ張って走り出そうとした椛さんを止めたのは1人の男の言葉だった。

「なんだよ、なんでお前がここにいんだよ……。今日、こいつ、1人だから襲うんじゃなかっ……たのかよ、、。」

「……え?」

「……、何いってんの、こいつ。千歩、知り合い?」

「いえ、全然!!」

「だよね、私も違う。私の事裏切りモンと見間違えてるって言うんならそのままにはして置けないな。」

そう言って椛さんはさっき喋った人の背中をぐしゃりと踏んだ。それは少し狂気じみていた。



雨が、降ってきた。


「濡れると大変だから、ほら。駅まで送るよ。」


血がつきながらも笑った椛さんは少し陰った太陽みたいだった。
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