Invanity Ring --- 今宵、君にかりそめの指輪をーーー
「一之瀬様、申し訳ありません。その結婚式には私たちも出席しておりましたの。おめでたい出来事で浮かれていたのは私たちも同じようで、はからずもこのような失態を許すことになってしまいました。お恥ずかしい限りです」
「いえ、そんなことは……」
あいまいに笑う一之瀬に、岡崎はさらに言葉を続けた。
「昨日式を挙げたのは、私の友人の息子なのです。上坂、という議員なのですが、つきあいも深いのでいずれ一之瀬様にもご紹介いたしましょう」
「上坂……もしや、国会議員の」
「はい」
その言葉に、一之瀬はごくりと唾をのむ。
上坂といえば、与党の若手でその活躍により将来が期待されている議員だ。その議員とつきあいがあるとなれば、一之瀬にとっても岡崎との縁はより魅力のある話になる。
どうしても、この縁談をまとめたい。だが……
「華月……」
一之瀬が言いかけると、やにわにその青年が立ち上がって進み、華月の前に片膝をついた。穏やかに華月を見下ろすその様子を、一之瀬は息をつめて見つめる。
「いえ、そんなことは……」
あいまいに笑う一之瀬に、岡崎はさらに言葉を続けた。
「昨日式を挙げたのは、私の友人の息子なのです。上坂、という議員なのですが、つきあいも深いのでいずれ一之瀬様にもご紹介いたしましょう」
「上坂……もしや、国会議員の」
「はい」
その言葉に、一之瀬はごくりと唾をのむ。
上坂といえば、与党の若手でその活躍により将来が期待されている議員だ。その議員とつきあいがあるとなれば、一之瀬にとっても岡崎との縁はより魅力のある話になる。
どうしても、この縁談をまとめたい。だが……
「華月……」
一之瀬が言いかけると、やにわにその青年が立ち上がって進み、華月の前に片膝をついた。穏やかに華月を見下ろすその様子を、一之瀬は息をつめて見つめる。