最後の男(ひと)
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ピピッと測定完了の合図がして体温計を見てみると、37度8分と表示されていた。休日とはいえ、なかなか目が覚めずにいたのは熱があったからのようだ。昨晩、町屋先輩にプロポーズされたせいで浮かれて熱が出たという訳ではなく、確かにここ数日喉の調子が悪かったから、先輩に移していないか心配だ。
この様子では、土日に纏めてしている家事や買い出しもできそうにないけど二日もあれば熱もおさまるだろうから、仕事に支障はないだろう。とはいえ、節々が痛いから、これからもっと熱が上がるかもしれない。
困ったのは冷蔵庫が空っぽという事だ。確か、常備しているレトルト食品も切らしていた気がするから、あとでネットスーパーで最低限の食料を注文することにする。
目が覚めたのは、何度目かのインターフォンが鳴り響く音でだった。あまりにしつこく鳴っている為、泥のように重い体を引き摺ってモニターを確認すれば士郎の姿があった。
「熱出てるんだろ。一先ず、鍵開けろよ」
口を開くのも億劫でのそのそ歩いて玄関を開ければ、士郎は、私を見るなり横抱きにすると一直線に寝室へと進みベッドに下す。
「今日は土曜日だけど……」
「別に曜日なんて決めてないだろ。 薬は? 何か食べたか?」
「起きるの面倒だし冷蔵庫なにもないから食べてない」
「食欲は? 食ったら薬な。とりあえずおかゆ作るからできるまで寝てろよ。冷蔵庫にあるもの勝手に使うからな」
士郎はそう言い残して、部屋を出ていく。どうして私が風邪を引いた事を知っていたのか不思議には思ったものの、思考は上手く働かない。言われるままに目を閉じれば、また睡魔が襲ってきた。
ピピッと測定完了の合図がして体温計を見てみると、37度8分と表示されていた。休日とはいえ、なかなか目が覚めずにいたのは熱があったからのようだ。昨晩、町屋先輩にプロポーズされたせいで浮かれて熱が出たという訳ではなく、確かにここ数日喉の調子が悪かったから、先輩に移していないか心配だ。
この様子では、土日に纏めてしている家事や買い出しもできそうにないけど二日もあれば熱もおさまるだろうから、仕事に支障はないだろう。とはいえ、節々が痛いから、これからもっと熱が上がるかもしれない。
困ったのは冷蔵庫が空っぽという事だ。確か、常備しているレトルト食品も切らしていた気がするから、あとでネットスーパーで最低限の食料を注文することにする。
目が覚めたのは、何度目かのインターフォンが鳴り響く音でだった。あまりにしつこく鳴っている為、泥のように重い体を引き摺ってモニターを確認すれば士郎の姿があった。
「熱出てるんだろ。一先ず、鍵開けろよ」
口を開くのも億劫でのそのそ歩いて玄関を開ければ、士郎は、私を見るなり横抱きにすると一直線に寝室へと進みベッドに下す。
「今日は土曜日だけど……」
「別に曜日なんて決めてないだろ。 薬は? 何か食べたか?」
「起きるの面倒だし冷蔵庫なにもないから食べてない」
「食欲は? 食ったら薬な。とりあえずおかゆ作るからできるまで寝てろよ。冷蔵庫にあるもの勝手に使うからな」
士郎はそう言い残して、部屋を出ていく。どうして私が風邪を引いた事を知っていたのか不思議には思ったものの、思考は上手く働かない。言われるままに目を閉じれば、また睡魔が襲ってきた。