最後の男(ひと)
士郎が来たときはまだ外は明るかったけれど、次に目が覚めたときは夕日が西に傾き始めていた。いい加減おなかも空いて、起き上がると同時に腹の虫が鳴った。リビングに繋がるドアを開けると、士郎はソファに腰掛けてタブレットを操作していた。
「よく寝てたな。腹減った? 用意するからそこに座って待ってて」
私に気付いた士郎は、自分が座っていた場所に私を座らせるとキッチンカウンターに向かう。いい匂いがしてきたなと思いながら大人しく待っていると、部屋の片隅に置かれたランドリーボックスに目が留まる。そこには、きちんと畳まれたタオルが積み重ねてあった。
「士郎。タオル洗ってくれたの?」
「一香、週末に家事纏めてするだろ? 勝手に触るのも何だし、一応寝ているおまえに声掛けたらお願いされたしな。あと、部屋行くまえに電話したら風邪引いてるから来るなって言われたけど、多分食料も切らしているだろうから、適当に今日明日の分は買って冷蔵庫に入れてある」
「ありがとう。助かった」
目の前に置かれた卵入りのお粥と野菜スープに手のひらを合わせて「いただきます」と続ける。
自分が弱っているときに気心知れた相手が側いてくれるとほっとする。こういう些細なことから結婚願望が芽生えたりするのだろうか。町屋先輩が言うように、あまり深く考える必要はないのかもしれない。
「よく寝てたな。腹減った? 用意するからそこに座って待ってて」
私に気付いた士郎は、自分が座っていた場所に私を座らせるとキッチンカウンターに向かう。いい匂いがしてきたなと思いながら大人しく待っていると、部屋の片隅に置かれたランドリーボックスに目が留まる。そこには、きちんと畳まれたタオルが積み重ねてあった。
「士郎。タオル洗ってくれたの?」
「一香、週末に家事纏めてするだろ? 勝手に触るのも何だし、一応寝ているおまえに声掛けたらお願いされたしな。あと、部屋行くまえに電話したら風邪引いてるから来るなって言われたけど、多分食料も切らしているだろうから、適当に今日明日の分は買って冷蔵庫に入れてある」
「ありがとう。助かった」
目の前に置かれた卵入りのお粥と野菜スープに手のひらを合わせて「いただきます」と続ける。
自分が弱っているときに気心知れた相手が側いてくれるとほっとする。こういう些細なことから結婚願望が芽生えたりするのだろうか。町屋先輩が言うように、あまり深く考える必要はないのかもしれない。