最後の男(ひと)
「……さっき先輩が言っていた家庭的なところをアピールしてくる女性って、前カノの話ですか?」
「あくまで一般論で言ったつもりだけど、過去にはそういう子も確かにいたよ。でも、分かりやすく尽くしてくれる子って、絶対見返りを求めてくるんだよな。最初は気が利くなって思っていた子が、急に‘私がここまでしてあげたんだから、俺にもそうして’ってスタンスで来られるとどうしたらいいのか分からなくなるし、そういう子の場合、持て余しているうちに他の男に乗り換えらえているっていうのがオチだ」
先輩は、同時進行はできないと言っていたように、当然相手にも誠実な付き合いを求める人だ。
仕事ができて派手なルックスから、火のないところに煙は立たないとはいえ、女なんて選り取り見取りで日替わりで彼女がいるなんて噂はあったけれど、やはりそれは、先輩を嫉む社員の嫌がらせに過ぎない。
見返りがなければ簡単に他の男に乗り換える女が本当に先輩のことを大切に思っていたとは思えないし、きっと先輩だって、エリートとの結婚を目的に近付いた強かな女だと気付いただろう。だからといって、傷つかない訳がない。
「正直、俺は自分のことは自分でできる。だから、身の回りの世話とか、そんな事より、些細なことでも笑い合ったり、綺麗なものを見て綺麗だと言い合ったり、美味しいものを食べて美味しいと言い合えたり、一緒に眠ったり、たまには愚痴を聞いてもらったり、ただ一緒にいてくれればいいんだ。俺が求めていることって、それだけなんだよ」
「私も条件で結婚相手を決めるようなことはしたくないです。お互いを大切に思えて、一緒にいたいっていう気持ちがあれば、きっと自然と相手を思いやると思うし、大変な時には助けてあげたいって思うと思います。でも、先輩も振られた経験があるって聞いて、何だか親しみが湧いてきました」
きっと先輩が話してくれた理想像は、本心からのもの。
けれども、先輩とずっと一緒にいる為には、ただ傍にいればいいだけじゃない。
先輩が常に自分と戦っているように私自身も向上心を忘れずに、お互いを刺激し合える存在でいる事を必要とされている。
先輩と肩を並べられる日はこないかもしれない。
この先、私にどんな才能があるか、伸びしろがあるかは分からないけれど、先輩の背中を追いかけていく事はできる。
純粋に今先輩と一緒にいたいと思う。
「あくまで一般論で言ったつもりだけど、過去にはそういう子も確かにいたよ。でも、分かりやすく尽くしてくれる子って、絶対見返りを求めてくるんだよな。最初は気が利くなって思っていた子が、急に‘私がここまでしてあげたんだから、俺にもそうして’ってスタンスで来られるとどうしたらいいのか分からなくなるし、そういう子の場合、持て余しているうちに他の男に乗り換えらえているっていうのがオチだ」
先輩は、同時進行はできないと言っていたように、当然相手にも誠実な付き合いを求める人だ。
仕事ができて派手なルックスから、火のないところに煙は立たないとはいえ、女なんて選り取り見取りで日替わりで彼女がいるなんて噂はあったけれど、やはりそれは、先輩を嫉む社員の嫌がらせに過ぎない。
見返りがなければ簡単に他の男に乗り換える女が本当に先輩のことを大切に思っていたとは思えないし、きっと先輩だって、エリートとの結婚を目的に近付いた強かな女だと気付いただろう。だからといって、傷つかない訳がない。
「正直、俺は自分のことは自分でできる。だから、身の回りの世話とか、そんな事より、些細なことでも笑い合ったり、綺麗なものを見て綺麗だと言い合ったり、美味しいものを食べて美味しいと言い合えたり、一緒に眠ったり、たまには愚痴を聞いてもらったり、ただ一緒にいてくれればいいんだ。俺が求めていることって、それだけなんだよ」
「私も条件で結婚相手を決めるようなことはしたくないです。お互いを大切に思えて、一緒にいたいっていう気持ちがあれば、きっと自然と相手を思いやると思うし、大変な時には助けてあげたいって思うと思います。でも、先輩も振られた経験があるって聞いて、何だか親しみが湧いてきました」
きっと先輩が話してくれた理想像は、本心からのもの。
けれども、先輩とずっと一緒にいる為には、ただ傍にいればいいだけじゃない。
先輩が常に自分と戦っているように私自身も向上心を忘れずに、お互いを刺激し合える存在でいる事を必要とされている。
先輩と肩を並べられる日はこないかもしれない。
この先、私にどんな才能があるか、伸びしろがあるかは分からないけれど、先輩の背中を追いかけていく事はできる。
純粋に今先輩と一緒にいたいと思う。