彼は私の全てだった
何がなんだかわからなくなった。
「シュウ…本当のこと言って。
一体お母さんが亡くなる前に何があったの?」
知りたかった。
シュウのこと全部知りたいと思った。
それは無理だとしても私がシュウのそばにいるためにはお母さんの事をちゃんと聞かないといけない気がした。
「お前…ウザいんだよ。」
そう言ってシュウは部屋を出て行こうとした。
「じゃあどうしてお母さんはあの時、必死で生きようとしたの?
シュウの為じゃないの?」
私の言葉でシュウの足が止まった。
「そうじゃない。
あの女は死ぬ前に電話をかけて来て言ったんだ。
ごめんって…
どうしても俺の声が聞きたくなったって言った。
何となくわかったんだ。
あぁ、もう帰って来ないんだなって。
だから突き放した。
二度と帰って来るなって…
そしたら本当に帰って来られないところに行ったんだ。」
シュウはそう言って一度も振り向かずに再び歩き始めた。
もう何も聞けなかった。
ドアの閉まる音が遠くに聞こえた。
殺したのはシュウじゃない。
シュウは寂しかったんだ。
捨てられるとわかって引き止められなかっただけだ。
そのまま死んでしまうなんて想像もしてなかったはずだ。
私は自分の部屋を飛び出して
トボトボと肩を落として歩くシュウを背後から抱きしめた。
シュウは泣いていた。
私はシュウの前に立ち、
その涙を指で何度も拭った。
「シュウ…本当のこと言って。
一体お母さんが亡くなる前に何があったの?」
知りたかった。
シュウのこと全部知りたいと思った。
それは無理だとしても私がシュウのそばにいるためにはお母さんの事をちゃんと聞かないといけない気がした。
「お前…ウザいんだよ。」
そう言ってシュウは部屋を出て行こうとした。
「じゃあどうしてお母さんはあの時、必死で生きようとしたの?
シュウの為じゃないの?」
私の言葉でシュウの足が止まった。
「そうじゃない。
あの女は死ぬ前に電話をかけて来て言ったんだ。
ごめんって…
どうしても俺の声が聞きたくなったって言った。
何となくわかったんだ。
あぁ、もう帰って来ないんだなって。
だから突き放した。
二度と帰って来るなって…
そしたら本当に帰って来られないところに行ったんだ。」
シュウはそう言って一度も振り向かずに再び歩き始めた。
もう何も聞けなかった。
ドアの閉まる音が遠くに聞こえた。
殺したのはシュウじゃない。
シュウは寂しかったんだ。
捨てられるとわかって引き止められなかっただけだ。
そのまま死んでしまうなんて想像もしてなかったはずだ。
私は自分の部屋を飛び出して
トボトボと肩を落として歩くシュウを背後から抱きしめた。
シュウは泣いていた。
私はシュウの前に立ち、
その涙を指で何度も拭った。