Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
そう言えば、これが彼女と母の初めての対面になるのだなと俺はそんなことを思った。

「どうしよう…。

わたし、忠政さんのお母様の前で余計なことをしないかな…」

斎藤ゆめのは不安がっている。

彼女は首を動かして周りを確認すると、
「忠政さん、わたしたちの関係は…」

声をひそめてささやくように、俺に話しかけた。

「もちろん、契約だと言うことは伝えていない。

今回の件はおそらく妻である君の顔を見るためだけの訪問だと思う」

俺も声をひそめて彼女に伝えた。

それでも彼女の不安そうな表情は変わらなかった。

「大丈夫だ」

俺は言った。

「バレそうになったら、ホームパーティーの時みたいに上手にフォローする。

君は母の前で“村雨忠政の妻”と言う役を演じればいい」

そう言った俺に、斎藤ゆめのはホッとしたような顔を浮かべたのだった。
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