惚れ薬
「それはそうと、昨日言ってた惚れ薬ってどんなやつ?」


初美にそう言われて、あたしは机の横にかけている鞄から小瓶を取り出した。


教室内で見てもとても綺麗に輝いている。


「これ」


そう言って机の上に置いた。


「わぁ、綺麗!」


真弥が目を輝かせてそう言った。


「本当だ。写真よりもずっと綺麗」


初美も小瓶を食い入るように見つめている。


「瓶の柄も細かいから、普通に買ったら高いと思う」


あたしは小瓶を指先でもてあそびながらそう言った。


これがただなんて、絶対に誰も思わないだろう。
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