惚れ薬
「そうだよね。こんなに綺麗な小瓶見たことがないよ」


「中身を使い切っても瓶だけで楽しめるよね」


2人が楽し気にそんな会話をしている。


「それはそうと、これが本物かどうかが気になるんだよね」


あたしは2人の会話に割り込んでそう言った。


途端に会話が止まる。


次の瞬間2人の笑い声が教室に響き渡っていた。


「なに? なんで笑うの?」


「だって、惚れ薬だなんて本当に思ってるの?」


笑いながらそう言う初音。


「いくら航のことが好きだからって、そんなの信じちゃダメだよ」


真弥もそう言っている。
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