監禁少女
☆☆☆~美世サイド~


冬夜と一緒に過ごす夢を見ていた。


あの狭いアパートの一室で、2人で並んで歯磨きをする。


もう当たり前になりつつあった光景に、涙が出そうになる。


「なに泣いてんだよ」


「だって……」


呆れ顔の冬夜にあたしは涙をぬぐった。


本当にどうしてこんなに涙が出て来るんだろう。


この当たり前の幸せをずっとずっと望んでいたような気がする。


「ほら、タオル」


冬夜が差し出してくれたタオルを受け取ろうとした、次の瞬間。
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