毒舌社長は甘い秘密を隠す

 それから、夕方まではあっという間。
 留美さんが打ち合わせから戻ってきて、隣の席で慌ただしくどこかに連絡を入れている。


「沢村さん、連休はどうするんですか?」
「まだ決めてなくて」
「ですよね、私もです」

 向かいの席に座っている専務秘書がそれとなく話しかけてきて、無難に答える。
 この秘書が近々異動になって、私が後任になるのかなぁ。会社で働くことに変わりはなくても、社長秘書として彼を支えられなくなるのは本意じゃない。

 だけど、まだ迷っている社長の申し出は、やっぱりあまり現実味がない。でも、私の希望と通すには、彼の出した条件を受け入れるしかないのだろう。


「沢村さん、ちょっと」

 十八時まであと少し。社長が秘書室に顔を覗かせ、私を呼んだ。

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