毒舌社長は甘い秘密を隠す
「……かわいいです」
「だろ? 俺のセンスに間違いはなかったな」
満足げな彼と、微妙な心境で見つめ合う。
アルパくんのような手触りの真っ白なルームウェアは、フード付き。下に履くハーフパンツまで用意されている。
せっかく買ってきてくれたのだから、ここはありがたく受け取って喜ぶべきだと思う。でも、期待も予想もなにもかもを大幅に外されて、相応しい言葉が見つからない。
「あの、これから暑くなるのですが」
「その時は考える。それに、一応春夏向けで売ってたから着れなくはないはずだ」
毛足の長いこれを着るには、ちょっと季節が過ぎてしまっている。でも、まだ朝晩の冷え込みを感じる日もあるから、着れなくもないのかなぁ。
「つまり、私がこれを着て過ごすという命令ですね?」
「そのとおり。さすが、俺の秘書だな。飲み込みが早い」
ついでに片付けを始めた彼は、洋服などを持ってリビングを出て行った。
ルームウェアをソファに広げる。
本当に、私ってアルパくんたちの代わりでしかないんだな……。
それもなんだか切なくて、無意識にため息をついていた。