毒舌社長は甘い秘密を隠す
それから十分ほどの間、社長はソファに座ったまま目を閉じていた。
疲れているんだろうと思い、私は話しかけることなく寝室へ向かった。置いたままの荷物を少しでも整理するためだ。
「明日も晴れるのかなぁ」
連休明けの朝から支度で焦らなくて済むように、携帯で天気予報を確認して、着る服に目星を付けておいた。
あまり荷物を広げるのも悪いので、今夜からすぐに使うものを中心に出す。スキンケア用品やメイク道具は洗面室に置かせてもらえるように話してみよう。
それにしても、本当にアルパカが好きなんだなぁ。
毛足の長いラグに座り、ひとりで眠るには大きすぎるキングサイズのベッドを見つめる。
今夜から、ここで社長と……。
想像したら、無意識に喉が上下してしまった。
なにを考えてるよ、私。そんなことは絶対にありえないんだから!
かぶりを振って、思い出していた社長のキスをかき消す。
でも、想像通りのことが起きてしまったら、どうしたらいいんだろう。