毒舌社長は甘い秘密を隠す

「君も入ってきたら?」
「あとでお借りします」

 いつの間にかシャワーから戻った社長が後ろから覗きこんできた。


「ここ、変換間違ってる」
「あ、すみません……」

 濡れ髪の彼の顔が真横にある。黒いTシャツの袖から伸びる腕が雄々しくて、意識せずにはいられない。

 画面をスクロールして読んでいた彼が、間違いに気づいてくれてよかった。
 でも、後ろから私を両腕で囲むようにして、キーボードを打ちはじめていて……。


 ドキドキさせられてばかり。
 振り回されてばかり。
 それなのに、好きなところがどんどん増えていく。

 ズルい条件で私をここに置いたり、勝手にキスをしてきたり、下着を見て批評したり……。
 だけど、そういう時に限って彼は私の瞳を射抜くような視線を向けてきた。

「ご確認ありがとうございます」
「頑張ってくれてありがとな」

 顔も見れずにお礼を言うと、彼は私の両肩をやんわりと掴んで、甘く囁いた。

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